マイクロ波試料分解装置 ultraWAVE 3

無機元素分析において信頼性の高いデータを得るために、試料前処理操作は重要な要素のひとつとなっています。また、前処理操作は、サンプリング・秤量・処理・定容などを含み、人手と手間を要します。これは分析に必要な時間の約8割を占めるとも言われているため、前処理操作の簡略化や、時間の短縮化、作業性・安全性の向上が求められています。

さらに進化したultraWAVE 3について

マイクロ波試料分解装置 ultraWAVE 3は、これまでマイルストーン社が培ってきた試料前処理法に関する知識の全てを凝縮し、前身のUltraWAVEから更に進化しました。なかでもその中心となる独自技術 Single Reaction Chamber (SRC)は、従来からある汎用型のマイクロ波装置を超える、高温・高圧条件での試料前処理操作を可能とします。また、試料前処理操作における作業時間、ワークフロー、分析者の負担などを大幅に削減・改善できます。
今日まで世界中で1,000を超えるラボ・研究所での導入実績があり、高い試料分解能力と安全性が認められています。

まずは読んでいただきたい 『マイクロ波試料前処理技術について詳しく学べる基礎的な技術情報』

構造

ultraWAVE 3の心臓部は、ステンレス製チャンバー、PTFE-TFM樹脂製ライナー容器、さらにバイアルで構成されています。
チャンバーは、特に高温高圧・耐酸性に優れた素材を厳選して使用しています。
このチャンバー内に搭載するライナー容器には、基本負荷(純水および硝酸試薬)を添加します。基本負荷はマイクロ波を吸収する加熱媒体として働き、各バイアル間の温度を平衡させる役割もあります。そして、装置に内蔵された温度コントロールシステムが温度を読み取る媒体となります。

化学分析に特化したSRCハードウェア

基本負荷・基本圧力とは

基本負荷について
サンプルラックとバイアルを使ってサンプルの分解を行う場合には、サンプルラックの外側に水のようなマイクロ波を吸収しやすい液体を入れる必要があります。これを基本負荷と呼びます。基本負荷はマイクロ波により加熱されます。基本負荷の温度を測定し、マイクロ波の照射量を調節します。 また、基本負荷は熱媒体として、サンプル間での温度の均衡をとる働きもあります。

基本圧力について
ultraWAVE 3では加熱前にチャンバー内に不活性ガス(N2)を封入して使用します。この圧力を基本圧力といいます。基本圧力の封入により、サンプル溶液の沸騰による損失を抑え、複数サンプル間でのクロスコンタミネーションを防ぐ役割があります。
例えば、水を約210℃まで加熱した場合の蒸気圧は20barです。しかし、あらかじめ40barの基本圧力をかけていた場合、合計圧力は60barに達します。これは270℃の際の蒸気圧に相当します。つまり、沸点まで約60℃の余裕があり、沸騰が抑えられます。

基本負荷と基本圧力

試料分解の流れ

バイアルには分析対象となるサンプルを酸試薬とともに添加したのち、バイアルラックに搭載してライナー容器内に収納し、チャンバーを密閉します(1)。このときバイアルは基本負荷に浸漬された状態となります。
つづいて、ライナー容器内に基本圧力(不活性ガス(N2))を封入します。基本圧力を加えることで、バイアル内溶液の沸騰による酸試薬および金属元素の損失が抑えられ、複数バイアル間でのクロスコンタミネーションを防止します(2)。マイクロ波加熱処理における基本負荷温度はEasyTEMPにて測定され、全てのバイアル内温度を一括管理します(3)。処理終了後は水冷式チャンバーによる急速冷却、さらにライナー容器内の酸蒸気を自動排圧することで、処理溶液を簡単かつ安全に回収できます(4)。

基本負荷と基本圧力

バイアル

サンプルバイアル

サンプルバイアル

サンプルバイアルは、バイアルとPTFE製キャップの2点で構成されます。バイアルにキャップを載せてラックに載せるだけで、1本1本テープでシールする必要もありません。従来のマイクロ波処理装置のような、一つ一つの容器を密閉~開放する手間も時間も削減できます。
分析者は対象サンプルと酸試薬に応じてバイアル材質を、さらに処理サンプルの重量に応じてバイアル容量も選択できます。例えば、ICP-MSによる微量元素分析には石英、フッ化水素酸を用いた処理ではフッ素樹脂、さらに使用後洗浄工程を省略できるディスポーザブル向けのガラス材質をご提案します。
石英およびフッ素樹脂製バイアルは、酸分解処理後に洗浄工程を行なうことで繰り返し使用できます。それぞれ酸試薬を用いた加熱洗浄により、常にクリーンな状態を保つことが可能です。

多品種他検体同時処理

ultraWAVE 3は、さまざまな組成のサンプルを、各サンプルに応じた酸試薬の組み合わせにて同一バッチ内で一括処理することが可能です。これにより、各組成に応じた酸分解条件を模索する必要はなくなり、前処理操作に関する作業効率を大幅に向上させることができます。また、このときのサンプル処理量や酸試薬種類に応じて、サンプルバイアルを選択し使用します。
例えば、多くの検体数を短期間で分析しなくてはならない場合は、40本掛けバイアルを用いて約1時間で最大40検体を処理することが可能です。また試料が大量の場合は、7本掛けバイアルにて1検体あたりグラム単位で処理することもできます。
さらに複数検体の同時処理であっても、お互いのバイアルへのクロスコンタミネーションがなく、微量元素分析に適した酸分解処理を実現します。

easyFILLとの組み合わせでさらに便利に

自動試薬分注モジュール easyFILL(イージーフィル)と組み合わせて使用することで、酸溶媒の注液作業を簡便化することもできます。検体数が多くても、すべてのバイアルにおいて安全で確実な酸添加を実現します。

ユーザーインターフェース

アプリケーション

アプリケーション

ultraWAVE 3は最高圧力199bar、最高温度300℃と高温高圧条件での処理を可能とするため、特に高耐酸性無機化合物や大重量の有機化合物サンプルにおいても、高い分解性能を発揮します。さらに試験所や研究開発部門にてultraWAVE 3を使用するうえで、Milestone社はさまざまなサンプルの酸分解処理に適したアプリケーションをご提案します。

多品種他検体同時処理

  • WEEE/RoHS/ELV指令における有害金属元素分析法(IEC62321)
  • ICH Q3D 医薬品の元素不純物ガイドライン(日本薬局方:元素不純物試験法)
  • 化粧品中の微量金属元素の定量分析のための国際標準法(ISO 21392:2021)
  • リチウムイオン電池材料中の金属元素分析法
  • ベビーフード中の有害金属分析法
  • 食品および関連品の金属元素分析法(FDA EAM 4.7)
  • 重質原油中の希土類金属元素分析法
  • 製錬/化学処理品等に含まれる白金族元素分析法

…など

カタログ

簡易カタログ(PDF版)

お申込みフォームへ移動し必要事項をご登録いただきますと、ダウンロード用のURLが記載されたメールが、ご登録いただきましたメールアドレス宛に自動的に送信されます。
もしメールが届かない場合は、再度お手続きいただくか、お問い合わせくださいますようお願いいたします。

簡易カタログのお申し込みはこちら

製品カタログ(冊子)

詳細情報が記載された製品カタログ(冊子)の郵送をご希望の方は、こちらからご用命ください。
カタログがお手元に届くまで少々お時間をいただきますが、万が一、数日経過しても届かない場合は、誠に恐れ入りますが、弊社までお問い合わせくださいますようお願いいたします。

製品カタログのお申し込みはこちら